賃金を決めるには、賃金テーブルが必要です

1.賃金の決め方

賃金はどのように決めているでしょうか ? 

給与は経営者が従業員に対して、過去の成果に対する褒章の意味や、将来に対する期待感等を、伝える大切なメッセージではないでしょうか。そのメッセージをどのように決めているでしょうか? 大切なものであることは解っていても時々の相場観や、「このような人はこのくらいの給与かなと」いうイメージで求人を出すことが多いのではないでしょうか。そして昇給の時期に何となく横ならびで決めているのではないでしょうか。

◎ 重要なメッセージを伝えるためには、合理的で恣意性を排除した賃金決定の仕組みを提示することが必要です。

賃金は一般的にはどのように構成されているかをご説明いたします。

概ね以下のように構成されています。

3. 職能給
2. 勤続給
1. 年齢給

1.年齢給 
 年齢給をもとない会社もありますが、学卒や20代は能力の差が出にくい時として、年齢で賃金を上げていく仕組みがとられます。しかしある年齢以上は年齢給は上がらずに一定で、職能給が上がっていく会社が多いようです。

2.勤続給
 勤続年数で賃金を昇給する仕組みです。入社して1年目、2年目では確かに違いがあると思います。しかし数年たつと勤続年数での違いは顕著でなくなります。毎年少額を昇給して5年ほどで据え置きとする会社が多いようです。

3.能力給
 従業員が仕事をするうえで、保有し発揮する能力が必要です。会社も役割を果たしてもらうために発揮してもらいたい〈○○力〉と言われるものが多々あります。その発揮した量を測定して賃金に反映させる仕組みです。

また〈○○力〉以外に、仕事に向かう気持ち(情意)、業務知識も含めて能力測定の範疇に入れて、パフーマンス測定を行うことになります。

パフーマンス測定のファクターとして以下のような区分ができるかと思います。

① 情意項目 積極性、協調性、責任感 気持ちは大切です。情意があれば技術・能力ははついてくるともいわれます。
② 知識技能項目 業務知識等 仕事上の知識は必須です。
③ 能力項目 統率力、行動力、浸透力等 業務遂行により段階別に必要な力が変わってきます。

上記のことを踏まえて、賃金テーブル作られます。

1 年齢給、勤続給は全ての従業員に同一で設定されます。

2 能力給は果たす役割の段階ごとに問われる能力が異なります。職級(段階)ごとに評価する必要があり、段階ごとの職要件という定義が必要となります。

職級

職要件キーワード

職要件の一部

6職級

企業統括 経営者と一体となり、企業全体を統括し目標達生に向かう。
5職級 企画・リスク対応 将来リスクを想定し対応案を実行できる
4職級 企画判断・指導 業務改善の企画、指導方法を考案実行できる。
3職級 定型業務熟練 日々の仕事を部下を指導しながらできる。
2職級 定型業務自立 日々の仕事を概ね自ら行うことができる。
1職級 一定型業務自 日々の仕事を指揮命令でできる。

このような職務をこなせる区分ごとの 賃金テーブルを作ることになります。

            

           

 

しかし重要なのは、作った賃金テーブルが、世間相場と離れていたら、従業員は働けないばかりか入社する人もいなくなります。つまりシュミレーションした結果が いずれかの公的に出されている賃金統計に準拠しなくてはなりません。

          

           

 

これで会社で働く人の将来設計が見えてきます。

次は人事考課表で評価の仕組みを作り、評価に基づく賃金決定のルールーを作ります。

           (図 評価と号俸昇給)

 

これを運用することで、その場しのぎの賃金決定から決別し 貸し借りなしの労使関係に一歩近づくことができます。

 

今なら助成金を使って ここまで無料で構築することも可能です。

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