昨年は大変お世話になりました。
本年もよろしくお願い申し上げます。
2019年もいろいろなことがありましたが、労働関係でいえば次の4項目が注目される出来事であったかと思います。
1. 働き方改革関連法の施行
2019年4月1日に施行され、労働時間管理の強化、有休の5日取得義務等
そして本年4月から始動する、年間残業時間720時間・平均して80時間を超える残業の禁止等
また36協定の運用強化で、特に時間外労働の月45時間、年6回の特別条項運用の厳密化等
働き方改革のターニングポイントであると思います。
2.入国管理法の改定
2019年4月1日の入国管理法の改定で、【特定技能】というワーキンングビザができました。
実質単純労働者の解禁となりました。昨年は意図してか、このビザの入国者は少なく絞られましたが、今年はいよいよ多くの労働者の入国がなされると思います。
これも外国人労働者のターニングポイントの年でした。
3.「人生100年時代」、70歳まで雇用延長
現状本人が希望すれば65歳まで働けるとしているものを70歳にすることが動き始めています。
助成金も出てまして、定年を70歳にする。または定年の廃止を求められるようになってきました。
すでに65歳まで働く人は多く、70歳定年も違和感のないところまで来ています。
4.「同一労働同一賃金」の適用
働き方改革関連法の重要項目です。大企業は2020年4月、中小企業は2021年4月に適用されます。
本来派遣先と派遣労働者の「同一労働同一賃金」を求めた2020年4月からの派遣法の改定は、例外適用の、労使協定方式が主流になりそうですが、確実に「会社に対して同じ価値をもたらす労働であれば、払う賃金は同じであるべき」という考え方の意識改革のターニングポイントであったかと思います。
これらが2020年以降に具体的に運用されて、日本の労働慣行のターニングポイントとして記される年かと思います。
個人的に気になることとしまして、パワハラ防止規定の運用があります。
これまで厳しく安全を守ってきた危険度の高い職場において、人の注意力や能力を高める手順が大幅に見直されなくてはならなくなると感じます。
大声で注意してはいけない、能力より高い仕事(過大な要求)を与えてはいけないということで、とても難しい管理手法が問われるものと思います。
安全が担保できない危険な社会の到来に繋がるのではないかと恐ろしい気がします。
本年もよろしくお願い申し上げます