規制緩和という言葉は、最近あまり聞かれなくなってきました。
しかし内閣府では、これまでも規制緩和について粛々と議論が進められているようです。
「規制改革推進に関する第5次答申~平成から令和へ~多様化が切り拓く未来~」として公開されております。
まず前段で規制緩和をすることの意義として次のように書かれています。
「すべての規制は、必要性があって作られたが、技術革新など経済社会の環境の変化で、その必要性を失った規制が残ると、産業の活力低下やイノベー ションの阻害などの弊害が生じ、日本経済の底力が損なわれていく。」としてます。
そして農林、水産、医療・介護、保育・雇用、投資等の個別のワーキング・グループで検討されています。
我々の分野で注目されるのは日雇派遣の規制緩和の検討があります。
そもそも日雇派遣の原則禁止は、平成24年に、日雇派遣で日々ネットカフェなどで寝泊まりして、その日暮らしをする人々が、派遣社員の雇止めの問題とあいまって社会問題になったたことがありました。
このことから日雇派遣は原則禁止となりました。
しかし例外として、副業の場合のみ認められ、主たる業務における年収が500万円以上の者に限られるとされました。
年収500万円以上の者が行う日雇い派遣者が多くいるわけがありません。
特に低所得の若い世代にとっては、事実上派遣による副業は閉ざされているに等しいとのことで、この改革をしようとする向きが出てきました。
しかし副業は労働時間を本業と通算しなくてはいけないとして、1日8時間を超える残業、週40時間を超える残業も通算して残業代が発生することから、なかなか広がりません。この問題も緩和の議題とされております。
この分野が緩和されると、いろいろの分野の労働者が、休日を使って副業が盛んになり、またそれを斡旋する派遣業も活況となり、かなりの労働力の受け皿が生まれるような気がします。
良い意味での規制緩和になるのではないかと期待が持てるかと思われます。