「雇用のジョブ型」という変化の波

先月9月9日 経済経済同友会の夏季セミナーで
もとローソンの社長で、今はサントリーホールディングスの社長である
新浪剛史 氏が「45歳定年」を提案したとして物議をかもしています。

定年制は高齢化社会を受けて60歳から65歳
そして70歳努力義務と、どんどん延長している中にあり、

「45歳定年」は、それに逆行し、衝撃的で暴挙と考えた人が多かったようです。

しかし遡ること9年も前の、2012年民主党政権下の野田首相のもとでの、
国家戦略会議フロンティア分科会(座長 大西隆先生)なるものがあり

その報告書ですでに「40歳定年制」の提言がなされており、
当時も言葉だけで驚きの提言として受け止められていたようです。

しかしその本意は次の通りです。

「将来2050 年になれば、高齢化と人口減少は、多数の高齢者を少数の生産活動従事者で支える
 無理な社会構造をもたらし、経済規模の縮小は、国益を守れないほどに日本の力を低下させる恐れがあります。

2050 年のあるべき日本は、いま使っている能力や資源だけでなく、眠らせている能力を最大限に引き出し、
創造的結合によって新たな価値を創出する「共創の国」を目指す必要があります。

それには人生を複線化し、学び直し、働き直しを行うことができれば素晴らしい。」としています。

社会に出てから20年ぐらいしたら人生の複線化を考えて
ひとところの会社人としてだけなく、次の次元にさらに能力を開花させることができる
社会の在り方が不可欠だとしています。

冒頭の新浪剛史社長はこのことを言ったようで

「45歳定年制は会社に頼らない仕組みが必要で、定年を45歳にすれば、みんな勉強しますよ、
自分の人生を自分で考えるようになる。」と言って、新たな仕組みを提言したようです。

2012年当時にはなかった「雇用のジョブ型」という変化の波で、
雇用の複線化の実現が、現実に迫られてきているように感じます。